推奨文

人々は、自分の欠点を抱えたまま生き続ける傾向があります。

まるで「天才バカボン」の

「これでいいのだ!」という精神で生きているかのようです。

 

似顔絵を描いている人が、人生相談もよく受けるという話があります。

本人曰く占いはできないので相手の顔の良いところだけを褒めるだけでも、

皆十分に満足してくれるそうです。

そして、似顔絵描き本人もそれで満足し、喜んでいます。

実際、占いの力はないのに褒めるだけでナンバーワンになった占い師もいたほどです。

 

人間は誰かにすがりたいと思うものです。

慰めてもらっただけでも元気が出ることはありますが、これは一時的なもの

で、本質的に何も変わりません。

いわば一種の清涼剤のようなものです。

 

人間は間違った判断で生きていると言われています。

人々はすべての事を自分に都合よく解釈し、自己満足に溺れ自分を優れた存在だと思い込んで生きていると、                                                            

しかし、この考え方こそが、誤った原因を作り出しているのです。

仏教の教えでは、不変の実体など存在せず転換する要素の集合体にすぎないとされています。

 

ほとんどの人は自分の欠点を直しません。

注意されると「リアクタンス」と呼ばれる反抗的な感情が湧き、従わない傾向にあります。                      

単に交流分析の禁止令を解くだけでは、すべての問題は解決できません。

問題はこのリアクタンスにあります。

 

荒い性格の人間は、荒い世界を求めることで自己肯定感を高めます。

自分ができないことは、できないまま、どうにか生活していく方法を考え、

改善しようとはしません。

これが、このタイプの人々の社会適応の形です。

                                                          

これが正解なのかもしれません(絶対悲観主義的な考え方では)

しかし、問題は残ったままであり、いずれ必ず手つかずの問題が発生する

ことになります。

 

例えば、炊飯器のタイマーをセットすること。

これができない人間は、永久にそれをしようとしません。

時々時間を忘れて食事時間が遅くなることがあっても誰にも聞こうとせず、

自分で勉強しようともしません。

欠点はそのままやり過ごそうとするのです。

 

仕事の場合、これでは務まらないため改善せざるを得ませんが、仕事を

離れて自由な生活になり、年を取ると、この傾向はさらに強くなります。

これが人間の実態と言えるでしょう。

 

心理学やカウンセリングで教える発達段階説は役に立たないと言われること

がありますが、

こうした人間の本質的な傾向には全く触れていません。

アドバイスをするには年齢の段階に応じたアプローチだけでなく、より深い

人間理解が必要です。

  

はじめに