イチローは、なぜ怪我をしないか?

   21世紀以降ではメジャーリーグの試合に最も多く出場した選手である。
 こうした故障への強さに対して、イチローは「プロ野球選手は、怪我をしてから治す人がほとんどです。しかし、大切なのは怪我をしないように普段から調整することです。
 怪我をしてからでは遅いのです」と述べている。

  イチローは、怪我予防の意識が強く、起床から就寝までほぼ同じ行動パターンを繰り返しており、毎日自宅でカレーライスを食べてから、球場入りの時刻や練習の手順まで乱れず行動を一定化している。 

   また、筋肉が非常に柔らかく、体の柔らかさを高める運動を重視すると共に、クラブハウスでも「ソファは腰に負担がかかる」としてパイプ椅子を使用し、またスパイクを履いたままで階段を使用すると滑って捻挫の可能性があるとして必ずスロープを使用する、怪我しやすいヘッドスライディングをしないといった対策を常に立てている。

 また、衝撃緩和のため「力を抜く」ということ(イチローはサヨナラゲームでチームメイトが騒いでいる時でも、誰かにぶつかられても衝撃を緩和せるように対策をとっている)や、早く練習を始めて体を多く動かすこと、「滑る場所」には徹底的に注意する(イチローは宮崎のお店の裏の階段や雨の日の新神戸駅で滑って転倒しそうになったエピソードを明かしており、滑りやすい場所では細心の注意を払っている)といったことに大きな注意を払っている。